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後ろを向いて歩くと前が見えない【ミッドナイト・イン・パリ感想】

 夜になると過去を思い出して、悶える時がありませんか?
あの時、ああしていればとか、何であんなこと言ってしまったんだろうとか。

 

僕の尺度で人を語るというのおこがましいですが、人間というのは元来後ろを向いて歩いていく生き物のようです。

 

過去を見てもそこには変えようのない現実があるだけで、時間によってそれはどんどん虚構となっていきます。
あの頃は何でもできたし、何にでもなれたはず。
気がつけばそんな妄想をしてしまってる。

 

おめでたい話ですね。

 

 

 

ミッドナイト・イン・パリ

 

 

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ミッドナイト・イン・パリは後ろを向いて歩く人間というのを実に上手くストーリーにした映画です。

主人公はハリウッドで活躍する脚本家ギル。
彼は1920年代のパリこそが芸術の集大成で、今の芸術はその出涸らしくらいに思っています。なのでパリこそ至高の都であり、最高の地だと思っていました。

 

 

もう彼自身が今ではなく過去の虚構にしか目に映っていない。
そんなんだから、旅行先のパリで出会ったいけすかない男に婚約者を奪われてしまう。
だって今を見ていないから。

  

 

 

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画像引用:IMDB 

 

 

 

 

この映画自体、結構シニカルです。
彼は何の気まぐれか、理想であった1920年台のパリにタイムスリップしてしまいます。

 

そこにはピカソやダリ、フィッツジェラルドが生きています。
理想がそこに息づいている。
それはそれは夢物語だったことでしょう。

 

でも過去も所詮は現実です。
近代芸術史に名を刻む彼らも人並みに悩むし、欠点もある。そして過去に惹かれてる。
ルネサンスこそ至高で今はその出涸らしだと。
ギルが焦がれた黄金の目は過去にしか向いてなかったのです。

 

 

 

結果として彼は冷や水をかけられたというか、現実を見たというか、

結局、今が唯一の黄金時代だと気づくわけです。

 

 

未来は不透明で何が起こるのかわかりません。
しかし、過去は永遠にたどり着けない。
だからこそ理想の黄金時代を夢想してしまう。

 

それが幻想だと気がつくのは、皮肉にもその時代に生きる人々の言葉なのがとてもシニカルで心に刺さりますね。

 

 

そして、この映画の一番の皮肉はギルから婚約者を奪ったいけすかない男が冒頭から、物事の本質をついているという点です。


ここが実に面白い。
いけすかない男は懐古主義に取り憑かれたギルに対して、

「そんな考えは別の時代なら幸せだと思って現実を見れない人間だ」

なんて説教し始めるわけですから、なかなか皮肉が効いています。

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

 

 

 


結局、過去にどれだけ思いを馳せても期待になんて答えてくれない。
過去を振り返るのはもちろん大事だ。賢者は歴史に学ぶのだから。

 

だが、過去は人をどうしようもなく魅了する。
もしもを夢想する心地よさは誰にも侵せない。
もはやそれは本能のようなもので、やっぱり人間は人間というのは元来後ろを向いて歩いていくのだと思う。

 

 

そして、また今日も過去を思い出して、悶える。
でも、それが本能だとしたら少しは自分を許してあげれる気がする。
そんな言い訳で今日も頑張って歩いていくのでしょう。時折、前を向きながら。 

 

  

 

 

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