映画を語る猫

映画やドラマについてあれこれ語る雑記サイトです

ファスト映画について思うこと。ファスト映画は映画を苦痛にする。

www3.nhk.or.jp

 

ファスト映画について

 

映画好きとして、ファスト映画については正直あまり話題にするのもいかがなものかと思う。

 

僕のような映画ブログをやっているような人間が果たしてファスト映画を攻められるのかというと微妙なところだろう。
確かに、映画の画像を引用の範囲で使用するのはルール上問題はない。

 

多くのブログ、レビューサイトではそれが行われている。
だが、それらの多くは、大方がストーリーを要約して、それより短い文章で感想書いてるなんてものがほとんどです。

 


これってファスト映画と何か違うの?っていうのは実に線引きが難しい。
実際、著作権法的にはとてもグレー。
部分的な要約であれば問題ないが、起承転結でまとめをしているのはアウトという判断もされかねない。

 

決定的な違いは映像を流用してるかしてないか程度の違いでしょうか。
まあ、映画に関してはそれは最もタブーな話だということは誰でも分かります。

 

映画は映像作品です。
文面でのあらすじまとめレベルの話ではありません。
何億という大金でつくられた映像がたったの10分に編集され、さらにそれらに広告をつけて垂れ流す。
とてつもなく悪質なのは言うまでもない。

 

 

ファスト映画の需要

 

ファスト映画は問答無用で悪なのは疑いようもない。
映画ブログなんて運営してる奴が攻められたものでもないが。

 

だがすごくもどかしい反面、言葉選びが難しいが「インスタントに楽しめる映画」というコンテンツとして「ファスト映画」は確かに需要があったのは間違いないのでしょう。

 

チャンネル登録者数や再生数などを見ればそれは良い証拠となるでしょう。
これは別に珍しい話ではありません。

 

例えば中田敦彦YouTube大学なんてまさに「それ」ですよね。

 

あのチャンネルって中田敦彦が分かりやすく書籍などの内容を解説するというものですが、結局のところ他人の著作物を勝手に無料の動画で内容公開し、広告で稼いでるわけですから「ファスト映画」と本質は大差ない。

 

ちょっと刺のある言い方をしてしまったかも知れません。
実際、中田さんの動画は、参考にしたブログのURLとか書籍とかしっかり記載してるし、ファスト映画とは雲泥の差です。きちんとビジネスとして成り立ってます。
中田さんごめんなさい。

 

 

そんなわけで、「要約」という部類のものは世の中にはいて捨てるほどにあって、どこまでに悪という線引きをするのかは難しい。
実際、導入としては決して悪い手法ではありません。
勉強の予習復習にちょっと似てる。

 

事前に要約した内容を入れてから本編に入れば、すんなりと内容を理解できるというのは学生時代に誰しもが経験しています。

 

そういう意味でファスト映画もその役割は果たしていたのかも知れません。

 

 

 

ファスト映画への皮肉。

映画は約2時間、人生を拘束するコンテンツです。
ストーリーがあり、起承転結までの流れをきちんと追うことを視聴者に強いる。

 

そこに息苦しさを感じる人が最近は増えてきてるのかも知れません。
ファスト映画需要を見てると、それはとても顕著に姿を見せます。

 

2時間を10分に削る。
一体、それは映画の何を削るのか。
時間なのか情報なのか。それとも価値なのか。

 

TikTokが人気の理由ってやはりあの短時間にあると思います。
たった数秒のファスト動画。
疲れない、考えなくていい、それで暇が潰せる。実にスマートです。

 

スマートであればあるほど良いというのが今の時代の流れです。
僕は広告を普段作っています。
そういう世界に身を置いているとそれがよく分かります。

 

 

誰も深く何かを見ることはしない。
文字は読まない。画像で完結するようデザインされてる。
広告は数字でそれを証明する。それは間違いなく現実なのだと思う。

 

 

確かに、僕にも心当たりはある。
最近ではYouTubeの動画も10分以上のものは面倒に感じる。
時間の拘束にとても不快感を覚える。

 

いつの頃からかそうなっていた。
いち早く結論を求めたくなる。

 

いつの間にか脳がすっかりファスト思考になっていた。
ああ、だったらファスト映画というのも肯ける。
これほど、素晴らしいコンテンツはない。

 

 

 

ファスト映画は映画を楽しむ時間が苦痛になる。


そう言えば、きちんと映画を楽しんで見たのはいつが最後だろうと考えると不安になる。

例えば、役者が沈黙しながら見つめ合う長尺のシーン。

 

はっきり言う。
早送りしたい。

沈黙の演技ほど映画にとってとても大切なスパイスになる。
目の輝き、表情の変化、ライティングによる演出。
かつての目には映ったものたち。
それが今はひどく退屈に見えてしまう。

 

ああ、そうか。
ファスト映画というものはこうやって思考を奪うのだ。

 

手っ取り早く映画を楽しみたい。
だからファスト映画に手を出す。
すると完成するのは映画を見るのが苦痛な一人の「映画好き」が生まれるのだ。

 

 

ファスト映画は映画を苦痛にする病。

要約というコンテンツは需要がある。
だがそれは自分の思考力を他人に奪われることに繋がる。
人間楽をするとそうなるらしい。

 

スマートに生きることは大事だ。
無駄のない生き方はとても素晴らしい。
けれど無駄を楽しむことを忘れてしまうと、きっと何もかもつまらなくなっていく。
映画なんて無駄が寄り集まってできてる代物だ。

 

ファスト映画は映画を終わらせてしまう。
映画ではない別の何かにする。
そしてそれは映画を苦痛にする病だ。

 

僕は映画好きでいたい。
だからやっぱり、どんな無駄なこともを全力で楽しもうと思う。

 

 

後ろを向いて歩くと前が見えない【ミッドナイト・イン・パリ感想】

 夜になると過去を思い出して、悶える時がありませんか?
あの時、ああしていればとか、何であんなこと言ってしまったんだろうとか。

 

僕の尺度で人を語るというのおこがましいですが、人間というのは元来後ろを向いて歩いていく生き物のようです。

 

過去を見てもそこには変えようのない現実があるだけで、時間によってそれはどんどん虚構となっていきます。
あの頃は何でもできたし、何にでもなれたはず。
気がつけばそんな妄想をしてしまってる。

 

おめでたい話ですね。

 

 

 

ミッドナイト・イン・パリ

 

 

www.youtube.com

 

 

ミッドナイト・イン・パリは後ろを向いて歩く人間というのを実に上手くストーリーにした映画です。

主人公はハリウッドで活躍する脚本家ギル。
彼は1920年代のパリこそが芸術の集大成で、今の芸術はその出涸らしくらいに思っています。なのでパリこそ至高の都であり、最高の地だと思っていました。

 

 

もう彼自身が今ではなく過去の虚構にしか目に映っていない。
そんなんだから、旅行先のパリで出会ったいけすかない男に婚約者を奪われてしまう。
だって今を見ていないから。

  

 

 

f:id:banira11aisukuriimu:20210609132025j:plain

画像引用:IMDB 

 

 

 

 

この映画自体、結構シニカルです。
彼は何の気まぐれか、理想であった1920年台のパリにタイムスリップしてしまいます。

 

そこにはピカソやダリ、フィッツジェラルドが生きています。
理想がそこに息づいている。
それはそれは夢物語だったことでしょう。

 

でも過去も所詮は現実です。
近代芸術史に名を刻む彼らも人並みに悩むし、欠点もある。そして過去に惹かれてる。
ルネサンスこそ至高で今はその出涸らしだと。
ギルが焦がれた黄金の目は過去にしか向いてなかったのです。

 

 

 

結果として彼は冷や水をかけられたというか、現実を見たというか、

結局、今が唯一の黄金時代だと気づくわけです。

 

 

未来は不透明で何が起こるのかわかりません。
しかし、過去は永遠にたどり着けない。
だからこそ理想の黄金時代を夢想してしまう。

 

それが幻想だと気がつくのは、皮肉にもその時代に生きる人々の言葉なのがとてもシニカルで心に刺さりますね。

 

 

そして、この映画の一番の皮肉はギルから婚約者を奪ったいけすかない男が冒頭から、物事の本質をついているという点です。


ここが実に面白い。
いけすかない男は懐古主義に取り憑かれたギルに対して、

「そんな考えは別の時代なら幸せだと思って現実を見れない人間だ」

なんて説教し始めるわけですから、なかなか皮肉が効いています。

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

 

 

 


結局、過去にどれだけ思いを馳せても期待になんて答えてくれない。
過去を振り返るのはもちろん大事だ。賢者は歴史に学ぶのだから。

 

だが、過去は人をどうしようもなく魅了する。
もしもを夢想する心地よさは誰にも侵せない。
もはやそれは本能のようなもので、やっぱり人間は人間というのは元来後ろを向いて歩いていくのだと思う。

 

 

そして、また今日も過去を思い出して、悶える。
でも、それが本能だとしたら少しは自分を許してあげれる気がする。
そんな言い訳で今日も頑張って歩いていくのでしょう。時折、前を向きながら。 

 

  

 

 

ミッドナイト・イン・パリを配信サービスで見るならU-NEXT

 

家で映画を楽しむ上で、必須なのがVOD(ビデオオンデマンド)です。

VODは月額使用料を払うことで映画が見放題になるサブスクリプション型のサービスの総称です。  

ミッドナイト・イン・パリはU-NEXTで配信されているので興味がある方はぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう?  

 

 

  1. 日本最大級のサービスで、総作品数がダントツに多い
  2. 毎月貯まるポイントで、新作や映画チケットを購入できます
  3. いろんなデバイスでストレスなく観れます
  4. オフライン視聴もできる
  5. 31日間無料で試せる

 

U-NEXTのトライアルはこちら!

 

 

 

関連記事  家で映画を楽しむ。映画が楽しくなるアイテムと工夫。

https://homecoming213.jp/post2/

 

 

 

 

マザコンの独白 【映画 田園に死す 感想】

愛情なんてものは実に不潔だ。
特に僕の口から出たと思うといやらしい。

 

と、過去に対して独白してみてもあまり気分はよくない。
もしかしたら多分に美化されてしまっているかもしれない。
していることだろう。

 

それでいて都合の悪いことは忘れて、また同じことを繰り返す。
そういう人間だっている。


ザコンというのは僕のことではない。
あいつのことだ。

 

あいつはいつも自分の性をおおっぴらに語る。
やれ、人妻と一夜を共にしただの、毎晩違う恋人と性を桜花しただの。
くだない言葉を投げ捨てる。
くだらなくて刺激的だ。

 

僕はそれを拾い上げて、嫌悪するふりして喜んでる。
でも、わかってる。
あいつの言うことなんて大概がフィクション。
もしくは現実を誇張してるにすぎない。

 

往々にして女を熱くしたと言う妄言の影には母親がいるのだ。

 

「母のない子になったなら、だれにも愛を話せない」
あいつの言葉はいつだって神経を逆立たせる。
だからこそ魅力的なのかもしれない。

 

 

 

田園に死す
 

 

f:id:banira11aisukuriimu:20210610101157j:plain

©1974 テラヤマ・ワールド/ATG
画像引用 http://2015.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=233

 

田園に死すと言う映画は今から半世紀近くも前のものになる。
この映画は過去の虚構化がテーマになっている。

 

「現在の私」が過去を思い返し、美しく誇張された自伝映画を作るところから物語が始まる。
人妻からの甘い誘惑、母を捨て、駆け落ちする逃避行。

 

書けば書くほど過去は膨張し、現実から遠くなる。
白化粧はさらに濃くなり、もはやそれは「私」ではない。

 

現実にはそんなものはない。
母から逃げられず、ずっと心は田園に縛られている。

 

母と言うものは鎖そのものだ。
どこにいても愛していようと憎んでいようとつきまとう。
そして愛を教えてくれる。
だからこそ寒気がする。
執着されることに疲れてしまう。

 

でも、知ってる。
母は逃げられないことを知ってるのだ。
だから愛情なんてものは不潔なんだ。

 

結局、最後の最後まであいつは母親を殺人し続けた。
何度も何度も。
それでも母はあいつの元を離れることはなかった。
それは紛れもなく愛で、嫌悪で、だから救い難い。

 

でも、不幸では決してないのは何となく分かる気がする。
母親という関係を思い返す。
古い話だ。
寒い日。
誰も知らない。
暗くなる黄昏時。
抱きしめられた。
母の身体は冷たかった。

 

それだけが今でも鮮明に思い出せる。
だからきっと、この先も僕は逃げられない。
ずっと愛を忘れることができない。
だからやっぱり愛情は不潔だ。

 

 

 

 

 

ミッドナイト・イン・パリを配信サービスで見るならU-NEXT

 

家で映画を楽しむ上で、必須なのがVOD(ビデオオンデマンド)です。

VODは月額使用料を払うことで映画が見放題になるサブスクリプション型のサービスの総称です。  

ミッドナイト・イン・パリはU-NEXTで配信されているので興味がある方はぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう?  

 

 

  1. 日本最大級のサービスで、総作品数がダントツに多い
  2. 毎月貯まるポイントで、新作や映画チケットを購入できます
  3. いろんなデバイスでストレスなく観れます
  4. オフライン視聴もできる
  5. 31日間無料で試せる

 

U-NEXTのトライアルはこちら!

 

 

 

関連記事  家で映画を楽しむ。映画が楽しくなるアイテムと工夫。

https://homecoming213.jp/post2/

 

 

 

 

おとなとこどものせかい【映画コラム リリィ・シュシュのすべてと花とアリス】

  僕は世間で言うとこの「大人」にあたります。

成人を超えれば、社会ではそう認識される。それがお約束です。

 

リリィ・シュシュのすべて」「花のアリス」 2つとも岩井俊二監督の作品です。

どちらの主人公も、まだ社会で言うところの子どもであり、とても狭い世界の中を生きています。

  今回はこの2作品について記事にします。    

 

 

リリィ・シュシュのすべて」

 

 リリィ・シュシュのすべては中学生というもっともあやふやな時期の少年とその周囲を独特な手法で描きだした作品です。

 

イジメ、自殺、レ○プ、援○といった過激なテーマが入り混じる不快でカオスな世界と、 美しい光に満ちた田園風景がスクリーンに映し出されている。

 

  撮影監督、篠田昇氏の素晴らしい映像美とは裏腹に内容は非常に不快極まりない。
特に市原隼人演じる主人公「蓮見雄一」が忍成修吾演じる「星野修介」のイジメグループに
リンチまがいのイジメを受け、 無理やり自慰をさせられるシーンなどは嫌悪感しか抱かないだろう。

 

 

少なくとも今の自分。 
大人になった自分はそう感じている。
 ならば子どもの頃……ちょうど、中学生の自分ならばどう感じるだろう。
思い出してみると、少し感覚が変わってくる。  

 

人とは違ったものへの憧れがあった。
今思えば痛々しい趣味だが、僕はドクロのアクセサリーを身につけ、ヴィジュアル系バンドの曲をひたすら耳にし、 まさに典型の中2病というやつに感染していた。

 

 ただ「特別」でいたい。 そういう時期だ。
道を外れた生き方に羨望の眼差しを向け、並の生き方には嫌悪を抱く。
周囲の大人がただただ邪魔なだけ。

 

  悲観的な思考だけが肯定される。
 そのくせ自分を嫌悪し、それを誤魔化すために他人を傷つける。
口は本音を語らない。
 

 

でも、誰かに気づいて欲しい。
自分で書いていて、背中が痒くなってくる。
多かれ少なかれ、思春期をむかえた子どもこのような症状がでてくるものだと思う。

 

あの映画の主人公たちも例外ではありません。
皆、それぞれ違う境遇にいる中で、自身に嫌悪し、特別でいたいと願っている。

 

だかからこそ特別な誰かに自分を投影していく。
 蓮見雄一、そして星野修介にとっても、それがリリィ・シュシュという作中に登場するアーティストであり、唯一の救いでした。

 

残酷な現実へのアンチテーゼであると言えるでしょう。

どこかで自分をダメにしてしまいたい。
一種の破滅願望。 生きることが怖く、死ぬことも怖い。

誰かを傷つけたい。誰も傷つけたくない。
矛盾が常に寄り添うのです。  

 

それを言葉にすることが出来ない。
だから蓮見雄一も星野修介もリリィ・シュシュの歌声の中で、ただ泣き叫ぶしかなかったのだと思います。  
 

大人の僕は子どもの彼らには選べない道を進むことが出来る。 だが、彼らには目の前の道しか進むことを許されていない。

 


それが子どもであることの理不尽さを表しています。
悲しい悲しい「フィクション」です。      

 

花とアリス

 

f:id:banira11aisukuriimu:20210608183332j:plain

出典:東宝花とアリス

 


 

  花とアリスはありえないほど陳腐で、勘違いばかりの恋を綴ったお話です。
「花の女子高生」とはよく言ったものだと思います。

 

桜が舞う4月に鈴木杏演じる「荒井花」と今話題の蒼井優演じる「有栖川徹子」はリアルな息遣いをしながら歩いて行く。  


それは演技というにはあまりにお粗末で素人がただ歩いていると言っていい。
そこに「華」は感じない。
その素人感こそがリアリティを引き出してくれる。  

 

リリィ・シュシュほどの不快感はこの作品にはありません。
例えるならば、少女漫画のような世界でしょう。
恋というありがりなテーマにレトリックな映像とリアルな脚色を加える。

 


それが花とアリスという世界を構成しているのです。
彼女たちは嘘の恋と周囲の環境に苦悩します。
仕事へのプレッシャー、家族への不安、友情と嫉妬、淡い恋心。

 


大人になるまでには必ず経験することでしょう。
思春期にありがちな悩みです。

子どもである彼女たちは、それらに対する答えを求めながら日々生きています。 

 

それがかけがえのない日々であるという実感を得るために、たくさん傷ついて、たくさん泣いて、たくさん笑うのです。
やがて培った思い出を引き出しに仕舞って、大人になっていく。  

 

それでも現実は確かに「そこ」にあった。
 記憶となってしまっても、過去になってしまっても、そこに存在していたのです。
それがたまらなく愛おしい。 

      

 

 

 

おとなとこどものせかいの違い

 

  子どもというものは、何とも残酷な世界で生きています。

逃げ道はなく、言葉というツールは飾りでしかない。
周囲に映る自分と本当の自分へのギャップに苦悩する。  

 

誰も答えを教えてくれないし、当人も何を悩んでいるのか言葉に出来ない。
袋小路の中で、それでも何かに救いを求めて、また別の苦悩を味わう。

 

必死に生きるのか、必死に死ぬのか。
そんな言葉遊びに真剣になる。  
夜中になると、ふとこのまま、一生の眠りについてしまうんじゃないかと怖くなる。

 

それでも眠くなるし、朝は来る。   僕はそれを繰り返しているうちに、いつの間にか大人になっていました。

  

 

子どもの頃に憧れたお酒やタバコは、今や普通に買える。
コンビニに行って、店員に差し出せばすぐだ。 年齢確認なんてされもしない。

 

  しかし、あんなに煌めいていたものたちはすっかり色あせてしまいました。 リリィ・シュシュ花とアリスも僕には遠い遠いセピア色のフィクションにしか映らない。 それはまるで寂寞とした深夜の街のようで……僕はため息しかでてこなかった。    

 

 

リリィ・シュシュ花とアリスを配信サービスで見るならU-NEXT

 

 家で映画を楽しむ上で、必須なのがVOD(ビデオオンデマンド)です。
VODは月額使用料を払うことで映画が見放題になるサブスクリプション型のサービスの総称です。

 

  リリィ・シュシュのすべてや花とアリスはU-NEXTで配信されているので興味がある方はぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう?

 

  1. 日本最大級のサービスで、総作品数がダントツに多い
  2. 毎月貯まるポイントで、新作や映画チケットを購入できます
  3. いろんなデバイスでストレスなく観れます
  4. オフライン視聴もできる
  5. 31日間無料で試せる

 

U-NEXTのトライアルはこちら!

 

 

 

関連記事  家で映画を楽しむ。映画が楽しくなるアイテムと工夫。

https://homecoming213.jp/post2/

恋愛とか、仕事とか、悩むことばかり。それでも続いてく [映画コラム エターナルサンシャイン]

映画とは違う。日頃のお話

  どういうわけか朝起きると後ろ髪が爆発しているんです。
しかも、驚くのは後ろだけが爆発して、前の方は癖一つないストレート。
鏡の前で毎朝、雑に髪の毛を濡らして無理やり直すのですが、 これまた面倒で、何度も何度も水をはねのけ逆立ち続ける髪に我ながら困ってしまうわけです。

 

  もちろん前日にきちんと髪を乾かします。 それでも逆立つんです。
こうなってくるといよいよ、髪の毛が意思を持って逆らっているんじゃないかと思わずにはいられません。  

 

自分の思うようにことが運ばれないというのはよくある話じゃないですか。
仕事だったり、恋愛だったり。 それこそ爆発する髪型だったり。
どうにもやきもきします、人間だから。    

 

 

エターナルサンシャイン

 

www.youtube.com

 

 

ところで話が変わるんですが、みなさんはエターナルサンシャインって映画見たことありますか? 僕、あの映画が本当に好きなんですよ。

 

かいつまむと彼女と別れて、辛いから思いでを消すために記憶除去手術するっていうお話なんですけど、これがまあ何ともリアル。
記憶を消す最中、思い出の世界を主人公は奔走します。

 

その中で向き合う彼女は実に魅力的で、もがけばもがくほど手放したくなくなるんです。 きっとそう。

 

 

f:id:banira11aisukuriimu:20210608191544j:plain

画像引用:IMDB 

 

でも僕らは知っています。 思い出って無駄に光り輝くものだって。
 本当の彼女はきっとそんな人じゃない。 僕らは常に誰かに対して理想の投影を押し付けます。
それが少しでも現実と距離があったらきっと失望してしまうんでしょう。

 

少なくとも僕はそうでした。
主人公もまた理想に後ろ髪を引かれてしまいます。 最終的に無くした記憶を取り戻し、彼女を迎えに行く。
でも、彼女はわかっていました。 それは幻です。

 

きっとまた嫌なところを見つけてしまう。見つけられてしまう。
きっとまた失望してしまう。させてしまう。

 

「それでもいいの?」 そんな問いかけに主人公は声を張り上げるでもなく、かと言って悲しげに言うでもなく、妥協じみた声で答えます。  

 

「それでもいいよ」 それは本当にリアルな声でした。    

 

 

 

まとめ

  仕事だったり、恋愛だったり。 それこそ爆発する髪型だったり。
結局どっかで落とし所を探してる。
 

どうにかこうにか。 そんな気がするんです。  
見つけた点に印をつけて、自分を納得させるのはもしかしたら嘘をついているのかも知れない。

 

だって僕の理想は爆発しない後ろ髪だもの。
でも、そうなってはくれない。   時は解決をしないし、戻らない。

 

そして、続いていく。 だからやっぱり、僕の後ろ髪は、このままでもいいよ。    

 

 

 

エターナルサンシャインを配信サービスで見るならU-NEXT

 

  家で映画を楽しむ上で、必須なのがVOD(ビデオオンデマンド)です。
VODは月額使用料を払うことで映画が見放題になるサブスクリプション型のサービスの総称です。  
エターナルサンシャインはU-NEXTで配信されているので興味がある方はぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう?  

 

  1. 日本最大級のサービスで、総作品数がダントツに多い
  2. 毎月貯まるポイントで、新作や映画チケットを購入できます
  3. いろんなデバイスでストレスなく観れます
  4. オフライン視聴もできる
  5. 31日間無料で試せる

   

 

U-NEXTのトライアルはこちら!

 

 

 

関連記事  家で映画を楽しむ。映画が楽しくなるアイテムと工夫。

https://homecoming213.jp/post2/

できると言い聞かせて【映画コラム アイ・フィール・プリティー!】

ブスについて考えたい。 ブスとは往往にして自信がない。

なぜか?世間はブスに自信を持って欲しくないからですよ。

だって、世の大多数はブスで構成されてます。

もし何かの間違いで自信満々に主張激しくされたら、美人なんてすぐ絶滅しちゃいます。  

 

それはかわいそうでしょ?

何よりブスだけの世界は、そら悲惨ですよ。

 

こんな話を始めた僕も、もちろんブスです。

当然ですよ。

ほっといたら眉毛がすぐ繋がって両津勘吉みたいになっちゃうくらいにはブスです。  

 

おまけにカッサカッサのたらこが唇に乗ってるブス。 僕もまた自信がない。 どこかの誰かに税として搾取されてしまった。    

 

 

 

 

 

 

アイ・フィール・プリティー!

   
 

f:id:banira11aisukuriimu:20210608182819j:plain

引用 UNIFRANCE https://www.unifrance.org/

 

 

 

  アイ・フィール・プリティ!を見たのはちょうど1年くらい前になる。

珍しくデートだった。

 

  お相手は年下の女子大生。 見栄を張って映画代を奢った。

  普段ならでかいポップコーンをコマーシャル中にバリバリ食べちゃうわけですが、その時はカッコつけてチビチビ食べていた。

 

映画館の後ろの席で、映画が始まり、まず起こったのはブスの自信剥奪記録だった。   主人公は大手化粧品会社の子会社でサイト管理をしている卑屈なブス。

 

もう卑屈すぎて周囲がドン引きしてしまうレベル。

 でもこういう人いるよね。 これだけで彼女がこれまでどういう人生を送ってきたか容易に想像ができますよね。

 

そんな彼女ですがある日、ジムで運動中に事故で頭を強く打ちます。

 もうお分かりですね?

 

眼が覚めると、彼女はとびっきりの美女に生まれ変わったのです。

彼女の中だけで。  

 

 そこからは滑稽なほど物語が加速し、それまでの日常が光り輝きます。

うだつの上がらないサイト管理人から気がつけば親会社の受付嬢に。

 

そのまま、社長に気に入られ、宣伝部に移動、イケメンに言い寄られたり、逆ナンを仕掛けたり、ミスコンに出たりなどもうやりたい放題。

そりゃそう。 「だって私は美人なんだから」    

 

 

アイ・フィール・プリティー引用 UNIFRANCE https://www.unifrance.org/

 

 

もちろん、物語は起承転結。 最終的に彼女は自分がブスだと思い出します。

しかし、彼女はその現実を受け入れさらなる成功を手にします。

なんとも、単純ながら分かりやすい物語。 でもそれが良い。    

 

 

 

映画が終わり、周囲が明るくなる。 拳を静かに握りしめる。  

なるほど、僕が失っていたのはこういうことだったんだな。

失敗を恐れてはいけないわけだ。

 

やればできる。そう言い聞かせ、 僕はゆっくりと彼女の方を向いた。   そ

の後の僕の行いは、どうぞご想像にお任せします。

ただ一つ言えるのはそれ以来、彼女とは一度も会っていない。        

 

 

 

 

 

 

アイ・フィール・プリティ!を配信サービスで見るならU-NEXT

 

家で映画を楽しむ上で、必須なのがVOD(ビデオオンデマンド)です。

VODは月額使用料を払うことで映画が見放題になるサブスクリプション型のサービスの総称です。  

アイ・フィール・プリティ!はU-NEXTで配信されているので興味がある方はぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう?  

 

 

  1. 日本最大級のサービスで、総作品数がダントツに多い
  2. 毎月貯まるポイントで、新作や映画チケットを購入できます
  3. いろんなデバイスでストレスなく観れます
  4. オフライン視聴もできる
  5. 31日間無料で試せる

 

U-NEXTのトライアルはこちら!

 

 

 

関連記事  家で映画を楽しむ。映画が楽しくなるアイテムと工夫。

https://homecoming213.jp/post2/